フルなんたらテンプレートというものがあった
ので試してみました
最近のネタバレについての物はサイズが小さいので変えてみました
広告でタイトルが見えないのでどうにかしたいと思いますハイ
ということでネタバレ後半となります
サムネ用に1枚
ということで白字ですね画像は載せますが流石に消せないので
そこは勘弁してもらいたいですね(´・ω・`)
以下ネタバレ(要反転)
Phantasma Being #2
2つの計画が頓挫したのち、権力者たちはこの計画の実現性に疑問を抱き始めていた。
それは彼らの所業が、いわば神の領域を侵すものではないのかという、畏れによるものだったのかもしれないが、当時の権力者たちに、まだそのような殊勝な心が残っていたのかどうかは、疑わしい限りである。
何故ならば、彼らが実施していたと思われる、第3の計画の記録が残されているからである。
③ファンタズマ・ビーイング(Phantasma Being)
前述の2つのプロジェクトを踏まえ、両者の手法を組み合わせて立案された。
クローニングによって生み出されたもののうち、理想に近い試験体の意識・思考を完全に電子化するという計画である。電子化により、外部からの観察と修正を容易にすると共に、安定した複製の生産の実現を理論の完成に置いた、いわば自我を完全にプログラムへと置き換えることを目指した、極めて意欲的な計画である。
この挑戦は、プロジェクトの大本命と見做される一方で、その実現は困難を極めた。かろうじて幾つかのテストモデルが実現にこぎつけ、汚染の原因となった戦争の末期には、実戦への投入が行われたと言われるが、ほぼロボット同然な状態にまで個性を消滅させてしまうと、著しい戦闘性能の低下がみられるなど、問題も生じていた。
人間の持つ"魂"をプログラムの制御下に置くことには、不完全な部分が残ったようである。
死神と呼ばれた彼らが何者であり、どこから現れたのか、それはいまも定かではないが、タワー内部に残されていた、このシステムの記録と何らかの関連があるのかもしれない。もし、これらの計画の記録が現実のものであるのなら、電子化された意識には、もはや寿命など無縁のものなのかもしれず、彼らがその被験者の生き残りであったと解釈することもできるだろう。
計画は果たして成功したのであろうか。
彼らが過去に存在したであろう人物と、同一の存在であるのかは、もはや証明のしようがなく、仮にそうであったとしても、戦闘狂とも受け取れる彼らの言動から、ただ戦うことを目的とする存在として、何らかの人為的な人格操作(プログラムの書き換えと言うべきか)がなされていたであろうことは、想像に難くない。
彼らがかつて抱いていた理想も矜恃も、そこにはもはやないのだとしたら、それは果たして同じ人間であると言えるのだろうか。
「財団」と呼ばれた人物が目指したものが、破滅だったとしたら、彼らはその協力者であったのか。
あるいは最後に残された真の戦いへの渇望を、破滅への導火線として利用されていただけなのかもしれない。
いずれにせよ、過去は既に失われ、それでなくとも人間は忘れることが得意な生き物である。
ことにそれが己の罪や過ちであれば、なおのことであろう。
この忌むべき記録が、いつかまた繰り返されることがないとは、誰にも言えないのである。
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